aya-kobayashi-manita 's 翻訳 Try It !

『Life is just a bowl of cherries』~ミュージカル『Fosse』より~

from the musical "Big Deal" 1986


Life is just a bowl of cherries

人生はたださくらんぼいっぱいの器


Life is just a bowl of cherries.

Don't take it serious; life's so mysterious.

You work, you save, you worry so,

But you can't take your dough when you go, go, go.

So keep repeating it's the berries,

The strongest oak must fall,

The sweet things in life, to you were just loaned

So how can you lose what you've never owned?

Life is just a bowl of cherries,

So live and laugh at it all.

人生は、たださくらんぼいっぱいの器のようなもの。

真剣に取らないで;人生はとても不思議なものよ。

あなたは、働きすぎ、押さえすぎ、心配し過ぎ、

逝ってしまう時、お金は持って行けないでしょう。

だから、繰り返し続けるの、それはベリーな事よ。

一番強いオークの木だったら、倒れてしまうに違いないわ、

人生の甘いものたちは、ただ、あなたに貸し出されているだけ

持ち物ではないのだから、失くす事もないでしょう?

人生は、たださくらんぼいっぱいの器、

だから、どんな時でも、生きて、笑うの。


Life is juat a bowl of cherries.

Don't take it serious; it's too mysterious.

At eight each morning I have got a date,

To take my plunge 'round the Empire State.

You'll admit it's not the beriies,

In a building that's so tall;

There's a guy in the show, the girls love to kiss;

Get thousands a week just for crooning like this:

Life is just a bowl of...aw, nuts!

So live and laugh at it all!

人生は、たださくらんぼいっぱいの器のようなもの。

真剣に取らないで;人生は不思議過ぎるんだから。

私は毎朝8時に、デートするの、

エンパイアステートビルの辺りをね、冴えない気分を連れてね。

ベリーではないと気づくでしょう、

高過ぎるビルの中で;

ショーには、女の子たちがキスしたくなるような男が出てるわ;

週に何千ドルも得ている、こんな風に甘く囁き歌うだけでね:

人生は、ただ・・・ああ、ナッツいっぱいの器のようなものね!

だから、どんな時でも、生きて、笑うの!


from the musical "Fosse" ,1999


訳してみて:アメリカのミュージカル界伝説の振付家、ボブ・フォッシー氏の代表作を集めた、氏へのオマージュのようなミュージカル作品『Fosse』。酒とダンスと女の日々の体現者とでも語られがちな彼は、人気者でブロードウェイのヒットメーカー。今作品も、ミュージカルファンならずとも、きっとどこかで耳にした事がある、というような名曲が多く、振り付けは主に氏の愛弟子であり愛人でもあったアン・ランキングが担当している。

 というと、一見、華やかなショービジネスの申し子のような男の印象だが、実際は、背も高くはなく、髪も薄毛で、そのようなコンプレックスを逆に活かすため、それまでのダンサーらしからぬわざと猫背になり肩や首をすくめてみせて、シルクハットで頭部を隠し、正にあのアンニュイで雰囲気ある独自のフォッシースタイルを確立させた事でも有名。自伝的映画『All That Jazz』を観ても、ダンスにだけは執拗な執念と本気を見せるが、あとは自堕落で皮肉ばかりの、人知れずうら寂しい人生だった事がよくわかる。しかし、それが、最近、日本でも有名な『キャバレー』や『シカゴ』などを始め、いわゆる都会の大人の魑魅魍魎、裏表をあくまで洒落で描き出す、極上のストーリーとエンターテイメントダンスショーを造り出したと言えるだろう。「フォッシーは、ダンスは頭を使って踊るものだ、と初めておしえてくれた」と、アン・ランキングは振り返っている。

 今作品も、これでもかというくらい上質で粋なダンスが次々と舞台上で繰り広げられ、かつ、人生の酸いも甘いも詰め込まれた、フォッシーらしい美学とも人生観とも言えるような珠玉のナンバーが、選び抜かれた超一流のダンサーたちによって優雅に歌われて、圧巻。その日の仕事に疲れても、夕方からちょっとカクテルで一息入れ、ブロードウェイやウエストエンドといった劇場へ足を運ぶ・・・つかの間、時を忘れてステージに酔いしれ・・また明朝からの仕事に向けてエネルギーを充電させる・・・そうして、毎日が続く・・・人生は続く・・・この曲は、そんな大人向けの、贅沢過ぎる作品にふさわしいプロローグナンバーだと思う。

 それにしても、今回の訳をきっかけに、久しぶりに『Fosse』のDVDを観なおしたが、改めて、ダンサーさん達のダンスに対する姿勢だけでなく、これまでの生き方まで全て、その単純に見えるような振りの指先の末端まで、神経張りつめて表れ出ているような迫力で、詩の内容に見合うレベルというものを観客まで試されているような・・・「真剣に取らないで」とは言いつつも、これは、人生を本当に真剣に生きている者にだからこそ与えられる特権の世界とも言えそうだ・・・






aya-kobayashi-manita 's 翻訳 Try It ! ~pupils with heart~

こんにちは。学生時代、文化史と美術史を専攻した後(ロンドン留学含む)、美術館学芸業務補助を経て、カルチャースクール勤務。現在、在宅で翻訳の勉強中。主に、①芸術事の感想(展覧会、舞台、映画、小説など)、②英語で書かれた世界各国の美術館図録や美術評論、③英語圏の絵本や児童文学、文芸作品、④英語の歌詞、⑤趣味の朗読やよみきかせ、歌、⑥日常の散歩や旅行記、生活の一コマなど・・日英語で記してゆきたいです。

0コメント

  • 1000 / 1000