aya-kobayashi-manita 's 翻訳 Try It !

「みんな、間違えている。」~復活エッセイ・プチ⑤~

ある時、ふと耳に入った中島みゆきの曲『nobody is right』にガツンとやられました。その時のエッセイ。2017年記述。


みんな、間違っている。

2017-02-17 17:33:48

テーマ:芸術事感想

https://www.youtube.com/watch?v=EK3cYfrFPqs

中島みゆきのnobody is rightという曲に静かに心動かされた。

眼からうろこだった。

「あなたは正しい。」「あなたは間違ってはいない。」「自分に自信を持って。」「輝け私。」などなどエトセトラ。のような歌詞は、今まで十分によく聞いてきた。そこで目に入ったこの中島みゆきの

「nobody is right」。

「誰も正しくない。」

やられた~。

肩の力がすとんと抜けた。「あの人はどうしてああなんだろう。私だったらこうしている。あの人は私の反面教師だ。」近頃の私といったらこんな思考回路ばかり。もしくは、「あの人は余裕のない人だからあんな大声出してるんだ。余裕のある私はあの人に譲ってあげよう。」とか・・・なんとも鼻持ちならない。

どれもこれも、我を張って

「私は正しい。」「迷うな。進め。突き進め。」「まっすぐに我が道を行け。」

そんな、感じで、それはそれで立派なのかもしれないが、結局、肩は凝り、他者との争いが生じているではないか。私は、争いたいのではない。これでも、仲の良い友達というものが欲しいのに。こんなにも、共生を願っているのに、どうして、他人をさげすみ、羨望し、非難し、認めている。そして、敗北感や優越感で毎日生きている。ああ、悪のスパイラルに陥っていたのを。

この、電車の中でふと聴いていた曲に救われた。

そうか。私はまだ未熟だ。私だけではない。みんな、人間は未熟だ。人間は、間違う。誰も正しい人なんて、ひょっとしたらいない。迷っていい。間違っていい。

近頃は、いいねやフォロワー数や、ちょこちょこ簡単に自信を持てる指数があって、「皆正しいんだよ。」そう言われて久しいのかもしれない。

でも、お蔭でがんじがらめになってはいないか。

自分は正しい。だから、自分に反対する人は正しくない。悪だ。本当に悪ならまだしも、或いは、、、自分と違う、自分を崩す、自分の正義が覆されたる、自分が否定される、、、対立してしまう。こんな方程式、思い当る。


そう、例えば、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のジャベール刑事が、自分の正義に固執し、ジャン・バルジャンの正義に揺り動かされ受け入れようとする自分を抱え切れずに自殺を選ぶように。『王様と私』で、初めて西洋風ダンスの楽しさを始め異文化を知った王様が、最後には「自分が壊される!」と、バランスを崩し、イギリス人家庭教師が帰国を余儀なくされるように。『美女と野獣』で、愛を知るために野獣が「滅ぼせよ、この身を」と歌い上げるように・・・(個人的な解釈ですが・・・)


nobody is right. 強烈な教訓だが。心で念じた。nobody is right. そう、私が正しい訳ではない。あの人が正しい訳でもない。みんな、間違いながら、生きている。

そう発想を転換したことろで、また明日を迎える。どんな、一日だろう。

aya-kobayashi-manita 's 翻訳 Try It ! ~pupils with heart~

こんにちは。学生時代、文化史と美術史を専攻した後(ロンドン留学含む)、美術館学芸業務補助を経て、カルチャースクール勤務。現在、在宅で翻訳の勉強中。主に、①芸術事の感想(展覧会、舞台、映画、小説など)、②英語で書かれた世界各国の美術館図録や美術評論、③英語圏の絵本や児童文学、文芸作品、④英語の歌詞、⑤趣味の朗読やよみきかせ、歌、⑥日常の散歩や旅行記、生活の一コマなど・・日英語で記してゆきたいです。

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