aya-kobayashi-manita 's 翻訳 Try It !

娘のほろ苦いマスクデビュー

-` It is myself that I paint...I myself am the subject of my book` -...Montaigne's search for his 'I' nourished by countless references to classical writers, is directed more towards what unites him with the rest of mankind than what sets him apart.

-  ”Rembrandt by himself" National Gallery Publications Limited London and Royal Cabinet of Paintings Mauritshuis, The Hague

ー「私が描いているものは私の分身だ・・・私自身が、私の本の主人公だ」ー・・・古典の作家達を数えきれないほど参照して、モンテーニュは自分自身の「私」を探求したが、それは、他者と自分との差異というより、何が他者と自分を融合させるかという関心により向けられた。

ー図録『自分自身によるレンブラント』展、1999年



娘、一週間に一回幼児教室に通っているのだが、そこの規則で、3歳になったらマスクをしなければならないというものがある。最初は嫌がっていた娘も今日からしてくれた。そういえば、先生の顔もお母さん方の顔も、写真でしか見たことがないという、実に奇妙な世界で既に一年を過ごしてきた。今日から、娘の顔もシャットダウンされるという事になる。勿論、規則に反抗して感染していては元も子もないので素直に従うが、なんだか切ない。徐々にクラスのお友達の顔も、そうやってシャットダウンされていってしまうのだろうか・・・。

マスクで顔を覆われ、それでも瞳はウフフと微笑んでいる娘がやけにいじらしい。大人になったらマスクをするもので、今日から私も仲間入り、とでも思っているのかどうか。

生まれて半年後くらいから世の中の大人の顔がシャットダウンされ、口元が見えない世界が当たり前になり、遊び場など方々も人数制限の為ろくに連れて行ってあげられず、いっぱいのお友達の集まりというものにもあまりまだ触れていなかったり。そのせいか、道すがら同世代の子達が歩いていると「お友達ー」となりふり構わずかけよっていってじゃれつこうとする不思議な娘。誰を責める事も出来ないだろうが、改めて、不自然な世界で生きていると思う。

そう、本当に娘は気付いたら窮屈な世界で生きているなと、昭和世代の私は感じる。コロナ、異常気象、不安定な社会や世界情勢などなど。小さくてまだおぼつかない身体に、どれだけストレスがかかっていて、又、どのように記憶されてゆくのか。どれだけお友達の顔や会話を覚えてゆくか、どれだけ見守っている大人たちの表情を心に留めてくれるか・・・不安はきりがない。

でも、だからこそ、逆に言えば他者の存在の大切さに気付き、自由の貴重さを感じる事の出来る人間になってほしい。世の中悪い事ばかりではない。例えばSNSやカミングアウトなど自己表現は自由さが増し、SDGsなど社会に関する研究やその普及はより深くなっているだろう。時代は進んで良くなった面も多々ある。

幼稚園だって、勿論外遊びの時は皆マスクを外しておおいにはしゃぎあっている。(先生方はマスク顔だが)今後、どのようにこのマスク社会の影響が娘たちに出るか見当もつかない。お隣の席のお友達の顔を見つめ合いながら写生をする、などといった美術のクラスも今後どうなるのか?などと心配や寂しさも感じる。ただ、人間には表情がある事、顔立ちなどには個性がある事、その表現は自由で、皆、その自由を活き活きと謳歌する権利がある事を学び、忘れないでほしい。皆、様々な喜怒哀楽の表情でお互いと触れ合い、活き活きと影響し合いながら生きているという事。

どんなにマスクで顔が次々とシャットダウンされてゆこうと、寂しさに負けず、不自然さに甘んじず、希望を持ち、前向きに生きてゆく、そのような子に育ってほしいと母は思う・・・。


aya-kobayashi-manita 's 翻訳 Try It ! ~pupils with heart~

こんにちは。学生時代、文化史と美術史を専攻した後(ロンドン留学含む)、美術館学芸業務補助を経て、カルチャースクール勤務。現在、在宅で翻訳の勉強中。主に、①芸術事の感想(展覧会、舞台、映画、小説など)、②英語で書かれた世界各国の美術館図録や美術評論、③英語圏の絵本や児童文学、文芸作品、④英語の歌詞、⑤趣味の朗読やよみきかせ、歌、⑥日常の散歩や旅行記、生活の一コマなど・・日英語で記してゆきたいです。

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